I love you に代わる言葉



 今井が起きてきたのは十三時だった。今井の為にみんな昼食を食べなかったから、それを知った今井は慌てて謝罪した。けど、今井を待つ間、誰一人と空腹である事を口にしなかった。
 昼食はオムライスと卵スープだった。どちらも冷めてしまった為、温め直して食べた。
 それからシンの部屋で、外出用の服を借りようとクローゼットを開けるが、ボクに合う服がなかなか見つからなかった。白や黒を好む所はボクと似ているけど、シンは大人っぽい服ばかり持っていたし、一番の問題が……サイズだ。シンは百七十四センチあるけど、ボクは百六十六だ。この差は結構痛い。シンが選ぶ服を一応合わせてみるけど、色んな意味でしっくりこない。これでは服に着せられているだけだ。ボクを見て今井がゲラゲラと笑う。ムカついたから凄い形相で睨めば、シンに「まぁそう怒るな」と宥められた。くそっ何だこれ、まるで子供扱いだ。
 結局上の服はこのままで、ズボンだけ借りた。しかも、腹の立つ事に、シンが中学生の時に履いていたものだ。これ以上の屈辱があるだろうか。
「ふんっ、行ってくる」
 財布をポケットに仕舞い込みながら、ぶっきらぼうに言う。不機嫌である事を表に出せば出すほど何故か二人は笑っていた。流石に自分が幼稚に思えてきて、ボクはちっ、と舌打ちをした。
「頑張れよ~」
 今井のふざけた台詞を背中で受け止める。頑張れって何だよ。何に頑張るんだ。ボクが出た後のこいつ等の会話は予想がつく。そんな事を考えながら、ボクはおねーさんが待つ玄関へ向かった。