思いがけぬ誘いに、ボクは硬直する。……どうする? 何と返事をする? 問い掛けるようにシンを見れば、
「好きなんだろ? 行って来いよ」
シンはサラッとそう言った。……好きなんだろってどっちの意味だ。敢えて意味深な発言しやがって。しかも真顔で。
動揺して返答に困る。それを悟られまいと必死に心を押し殺す努力をするけれど、おねーさんにバレているんじゃないかと焦る。これって何だ? 二人で行こうって意味なのか?
「……アンタは行かないの?」
「俺か? 俺は本に興味ねぇよ。読書好きは日生しかいねぇんだ。今井を誘っても行かねぇと思うぜ」
そう言われてボクは黙る。そしてチラとおねーさんを見れば、心持ち眉を下げた。多分、ボクが躊躇する理由をおねーさんは勘違いしている。ボクが躊躇する理由は単純なものだった。長時間二人きりという事に抵抗があるのと、持ってきている服が、今着ている薄い長袖のシャツと、黒いジャージしかないからだ。完全部屋着の、締まりのない服装だ。
「あの……良ければ、でいいですよ」
ヤバイ。絶対これ勘違いしてる。ボクが嫌がっていると多分思ってる。
「行ってこいよ。どうせ家で駄弁るだけの予定だからな」
誤解を解かなければ。
「いや、ボクはいいんだけどさ。実は今着てる服しか持ってきてないんだよね。ただ泊まって帰るだけだと思ってたから」
平常心を装い、あたかも服装だけを気にする素振りで話す。するとおねーさんは、あぁそんな事かと言わんばかりに安堵の表情を見せた。
「私は気にしませんよ」
いや、ボクは気にするよ。色んな意味で。
「服なんて貸してやるよ」
シンはそう言った。そう言われちゃ断る理由も無いから(断ろうとも思わなかったけど)、ボクは承諾した。
「好きなんだろ? 行って来いよ」
シンはサラッとそう言った。……好きなんだろってどっちの意味だ。敢えて意味深な発言しやがって。しかも真顔で。
動揺して返答に困る。それを悟られまいと必死に心を押し殺す努力をするけれど、おねーさんにバレているんじゃないかと焦る。これって何だ? 二人で行こうって意味なのか?
「……アンタは行かないの?」
「俺か? 俺は本に興味ねぇよ。読書好きは日生しかいねぇんだ。今井を誘っても行かねぇと思うぜ」
そう言われてボクは黙る。そしてチラとおねーさんを見れば、心持ち眉を下げた。多分、ボクが躊躇する理由をおねーさんは勘違いしている。ボクが躊躇する理由は単純なものだった。長時間二人きりという事に抵抗があるのと、持ってきている服が、今着ている薄い長袖のシャツと、黒いジャージしかないからだ。完全部屋着の、締まりのない服装だ。
「あの……良ければ、でいいですよ」
ヤバイ。絶対これ勘違いしてる。ボクが嫌がっていると多分思ってる。
「行ってこいよ。どうせ家で駄弁るだけの予定だからな」
誤解を解かなければ。
「いや、ボクはいいんだけどさ。実は今着てる服しか持ってきてないんだよね。ただ泊まって帰るだけだと思ってたから」
平常心を装い、あたかも服装だけを気にする素振りで話す。するとおねーさんは、あぁそんな事かと言わんばかりに安堵の表情を見せた。
「私は気にしませんよ」
いや、ボクは気にするよ。色んな意味で。
「服なんて貸してやるよ」
シンはそう言った。そう言われちゃ断る理由も無いから(断ろうとも思わなかったけど)、ボクは承諾した。

