I love you に代わる言葉

「おねーさんのさ、好きな石ってなに?」
 尋ねると、おねーさんは目を丸くした。ボクがこんな事に興味を持つなんて思わなかったんだろうか。でも、この流れなら不自然じゃない。
「そうですね……色々ありますが、ラリマー、アクアマリン、ラピスラズリ、ぺリステライト、タンザナイト、クンツァイト、ラブラドライト、水晶……でしょうか。今思いつくのはこれくらいです。ラリマーは、単純に見た目の美しさに惹かれ、一目惚れしました。透明感の無い水色の石で、水面がゆらゆらと揺れている、そんなイメージを湧かせる石ですよ。水面、というと涼しい印象ですが、私にはとてもクリーミーで温かい印象です。ドミニカ共和国でしか産出されない石で、需要はあるのに供給は少なく、希少価値があるんです。だから凄く高価で……なかなか手が出ません。凄く綺麗な石なので、今度見てみて下さい」
「らりまー、ね。うん分かった」
 覚えておこう。おねーさんが一目惚れするくらいだから相当綺麗なんだろう。
「アクアマリンとラピスラズリ、ぺリステライト、タンザナイトなら此処にありますよ」
 おねーさんはそう言って、透明のケースを指差した。アクアマリンとラピスラズリは、名前だけ聞いた事あるな。
「アクアマリンは、三月の誕生石なんですよ。同じ水色でも、ラリマーに比べ透明感もあるし清涼感もありますね。アクアマリンは本来、無色透明に近く、ほんの気持ち色付いているだけなんです。熱処理で色を深くするんですよ。多分これも熱処理されていると思います」
「ふうん」
 アクアマリンとやらは薔薇の形をしている。これは元々ペンダント用に作られているんだろう。
「おねーさんって水色が好きなんだ。部屋も水色多いし」
「はい。あと、白も」
「どっちもおねーさんっぽいね」
 そう言うと、おねーさんは礼を述べながら、嬉しそうに笑った。嬉しそうにすると少女っぽくはにかむから、そういう所もカワ……いや何でもない。