緊張を悟られぬよう、堂々とした足取り、態度を見せたまま、テーブルを挟んだ向かいに腰を下ろす。部屋の扉は閉めなかった。だって何かさ……うん。おねーさんも閉めてと言わないし。
「ソファーに腰掛けてもいいですよ」
「……ここでいい」
「そうですか?」
ボクはこくんと頷いた。
テーブルには、採れたままっぽい天然の石が二つと、小さな透明のケースが置いてある。それに小さな石が沢山入っている。これがアクセサリーにしたものだろう。
「? 何これアメシスト?」
ボクは紫色と黄色とが入り混じる直径三センチ程の石を指差した。アクセサリーになっておらず、天然のままのものだ。アメシストに似ているが、ボクの持っているそれとは色味が異なる。紫をもっと淡くしたみたいな。
「……にしては色が薄いね。水晶にほんの少し色付いただけみたいな」
ボクがそう言うと、おねーさんは感心したような表情を見せた。
「凄い、日生くん。これ、アメトリンと言って、アメシストとシトリンという鉱物が混ざった石なんですよ。和名を紫黄水晶(しおうすいしょう)と言います。ふふ、見たままですね」
「しおうって?」
「紫と黄色の「黄」で、しおうです」
「ああ、なるほどね。確かにそのままだね」
「シトリンというのは、黄水晶です。文字通り黄色の水晶の事です。だからアメトリンが「紫黄」なんですね。実は、天然のシトリンって産出が少ないんですよ。出回っているものの殆どが、アメシストを熱処理して黄色にしたものなんです。言ってしまえば黄色にしたアメシストですね」
「へぇ。偽物って事? おねーさんの店のも?」
「はい」
「言っちゃっていいんだ? そういう事」
「此処はお店ではないですしね。お客様にわざわざ此方からそれをお話しませんが、聞かれれば答えますよ。店員以上に知識のあるお客様は、既に知っていますし」
「ふうん」
おねーさんはボクを見てふふっと笑った。少し緊張したけど、何か店と変わらなくて安堵する。場所が違うだけで話す内容は石だ。まぁ石を見に来たんだから当たり前なんだけど。
「ソファーに腰掛けてもいいですよ」
「……ここでいい」
「そうですか?」
ボクはこくんと頷いた。
テーブルには、採れたままっぽい天然の石が二つと、小さな透明のケースが置いてある。それに小さな石が沢山入っている。これがアクセサリーにしたものだろう。
「? 何これアメシスト?」
ボクは紫色と黄色とが入り混じる直径三センチ程の石を指差した。アクセサリーになっておらず、天然のままのものだ。アメシストに似ているが、ボクの持っているそれとは色味が異なる。紫をもっと淡くしたみたいな。
「……にしては色が薄いね。水晶にほんの少し色付いただけみたいな」
ボクがそう言うと、おねーさんは感心したような表情を見せた。
「凄い、日生くん。これ、アメトリンと言って、アメシストとシトリンという鉱物が混ざった石なんですよ。和名を紫黄水晶(しおうすいしょう)と言います。ふふ、見たままですね」
「しおうって?」
「紫と黄色の「黄」で、しおうです」
「ああ、なるほどね。確かにそのままだね」
「シトリンというのは、黄水晶です。文字通り黄色の水晶の事です。だからアメトリンが「紫黄」なんですね。実は、天然のシトリンって産出が少ないんですよ。出回っているものの殆どが、アメシストを熱処理して黄色にしたものなんです。言ってしまえば黄色にしたアメシストですね」
「へぇ。偽物って事? おねーさんの店のも?」
「はい」
「言っちゃっていいんだ? そういう事」
「此処はお店ではないですしね。お客様にわざわざ此方からそれをお話しませんが、聞かれれば答えますよ。店員以上に知識のあるお客様は、既に知っていますし」
「ふうん」
おねーさんはボクを見てふふっと笑った。少し緊張したけど、何か店と変わらなくて安堵する。場所が違うだけで話す内容は石だ。まぁ石を見に来たんだから当たり前なんだけど。

