I love you に代わる言葉

「因みに今日は予定ないらしいから、――日生。あんたねーちゃんとこ行って石について語り合って来いよ」
「は!? 何でさ?!」
「石好きなんだろ? ねーちゃんの部屋にも幾つかあるから見せて貰えよ。言ってやるから」
「別にボクは……、」
 好きじゃない。そう言おうとしたけどハッとする。石が好きなんてシンに言った覚えはない。そうか……もしかしたらおねーさんがシンに言ったのかも知れない。ボクは煌宝に何度か行っていたし、石が好きだと(話を合わせる為だったが)おねーさんの前で言った事があるから。しかもアメシスト買ってるし、この前は石貰ってるし。
 日生くん、石に興味を持ってくれるようになったんだよ、なんて嬉しそうにシンに話して聞かせた事があるのかも知れない。そんな姿が、想像出来てしまう。まぁ、あながち間違ってもない。石に魅せられた一人だ。
 かと言って、シンの言う通りに出来る程ボクの心臓は強固に出来てない。
「……ていうかさ、そこまで気を遣わなくてもいいよ」
「でもお前一人じゃ、絶対進展ねぇぞ……」
 ボクの言葉に返事をしたのはシンではなく今井だった。それに対して苦笑するシン。何だこいつ等。ボクがへたれとでも言いたいのか。
 腹立たしくてボクは仏頂面をしていたが。
 こんこんこんっと、優しく響くノック音。
「真、手が塞がってるから開けてもらえる?」
 そんな声が届くだけで、機嫌はすぐに直る。
 扉から一番遠くに座っているシンは、扉から一番近い場所に座るボクに目で訴えてきた。開けてやってくれ、と。