I love you に代わる言葉

「ひ、日生くん、と、今井くん……?」
 それは問うように、或いは独り言のように。ポツリと、けれどハッキリとした声。
「お、お邪魔してまっす」
 そう言ったのは今井。驚きと、戸惑いと、僅かな高揚とが含まれた声色だった。少なくともボクはそう感じた。
「――真、友達って、日生くんたちの事だったんだ。仲良くなってたんだね」
「ああ」
 おねーさんは、再びボク達を見た。
「二人とも、いらっしゃい」そう言ってふわりと笑う。「日生くんたちが真と友達になっていたなんて。凄く驚きました」
 ボクは何も答えられず、ただ視線を彷徨わせる事しか出来ずにいた。
「お、俺らもびっくりッスよ! まさか姉弟なんて。なっ、日生!」
 今井はボクの左肩を、右手でポンッと叩いた。姉弟である事をあたかも今知った風に装って。
「ああ……うん」
 突然振られ、簡潔ではあるが相槌を打つ事には成功した。動揺している自覚は勿論あったが、ボクは、今井に助け舟を出される程動揺していたらしい。いや、これが動揺せずに居られるか。シンの家に居れば、おねーさんが訪ねてくる事は何度かあるかも知れないとは思った。シンなら突然訪問させかねないとも考えた。だが、一緒に住んでいるとは……。今思えば、確かにシンは「親と離れて暮らしている」としか言っていない。