*
どうすべきか。いや、どうも出来ない。出来る筈がない。
ボクは馬鹿みたいに狼狽していた。嫌な汗が額と背中に滴るが、不快に思う余裕さえ無かった。
シンにまんまと嵌められた。何故ボクは疑わなかったんだ。
「――真、いる?」
扉の向こうから再び聞こえる声。鼓動が速く波打つ。
「ああ」シンは短い返事を送ると、もう一度ボクを見やり、扉の傍に向かった。
ボクはただその動きを目で追うのが精一杯だった。言いたい事は山ほどあるが、何一つ言えず、口を噤んでしまう。というより、噤む事しか許されないような場面だった。
シンは扉を開けた。そこには声の主――おねーさんが立っていた。
目が、合う。
おねーさんの視界にボクが映ったのか、何気無く向けられた丸みのある綺麗な瞳が、僅かに見開かれた。ボクを見て、今井を見て、またボクを見る。動揺するボクと、固まるおねーさん。今、絶対地球は動きを一瞬止めたと思う。
どうすべきか。いや、どうも出来ない。出来る筈がない。
ボクは馬鹿みたいに狼狽していた。嫌な汗が額と背中に滴るが、不快に思う余裕さえ無かった。
シンにまんまと嵌められた。何故ボクは疑わなかったんだ。
「――真、いる?」
扉の向こうから再び聞こえる声。鼓動が速く波打つ。
「ああ」シンは短い返事を送ると、もう一度ボクを見やり、扉の傍に向かった。
ボクはただその動きを目で追うのが精一杯だった。言いたい事は山ほどあるが、何一つ言えず、口を噤んでしまう。というより、噤む事しか許されないような場面だった。
シンは扉を開けた。そこには声の主――おねーさんが立っていた。
目が、合う。
おねーさんの視界にボクが映ったのか、何気無く向けられた丸みのある綺麗な瞳が、僅かに見開かれた。ボクを見て、今井を見て、またボクを見る。動揺するボクと、固まるおねーさん。今、絶対地球は動きを一瞬止めたと思う。

