「あの日、終礼前に日生が帰っていく所を丁度見掛けたんだ。時間帯が時間帯だったし二人で話せるかと思って後を追ったんだが、まあ、生憎と金髪の先客が居てな」
そう言って、笹山真は笑いながら今井を見た。今井はきょとんと間抜け面をしていた。どの日の事か未だ理解出来ていないのか、理解できていても何故自分が気に入られたのか理解が出来ていないのか。ま、どちらでもいい。取り敢えず放っておく。
確かにあの会話を聞いていれば、笹山真の言動や行動に納得がいく。あの時の今井に好感を持たない奴は殆ど居ないだろう。そして、自分の身内への恋慕をハッキリと知り、それを不愉快に思う奴も殆ど居ないだろう。
ボクは軽く嘲笑した。気付かなかった自分を非難する意味で。
「ならアンタさ、何で聞いてきたのさ」
「悪かった。だけど、あんたから直接聞いておきたかったからな」
主語の無い簡潔な言葉で、それでもすんなりと返事があるのは面倒臭くなくていい。
「――で、どうする? 一度来てから判断下すか?」
「どんな家でも別に文句は言わないさ。まぁ、悪い話じゃないしね……世話になるよ。ただ、まだほんの数日だけどさ、今井の親にも良くして貰ってるし、暫くは今井の家に居る。アンタをもう少し知ってからアンタん家に世話になる事にするよ」
「ああ。別に今すぐって訳じゃねぇし、いよいよ困った時でいいさ。しかし……、」
笹山真は、そこで一旦言葉を区切ると、クックッと笑った。
「俺をもう少し知ってから、か。そうだな、知らない奴について行っちゃいけないって小さい頃教わったしな。日生って意外と可愛いトコがあるんだな」
「なっ……!?」
揶揄され、恥ずかしさやら怒りやらで思わずカッと熱が顔に集中する。笹山真の言葉に今井がゲラゲラと笑い出したから余計にムカついた。笹山真は軽く笑っただけだったが、今井は悪戯っぽく笑って指差すもんだから、殴ってやろうかと思った。
そう言って、笹山真は笑いながら今井を見た。今井はきょとんと間抜け面をしていた。どの日の事か未だ理解出来ていないのか、理解できていても何故自分が気に入られたのか理解が出来ていないのか。ま、どちらでもいい。取り敢えず放っておく。
確かにあの会話を聞いていれば、笹山真の言動や行動に納得がいく。あの時の今井に好感を持たない奴は殆ど居ないだろう。そして、自分の身内への恋慕をハッキリと知り、それを不愉快に思う奴も殆ど居ないだろう。
ボクは軽く嘲笑した。気付かなかった自分を非難する意味で。
「ならアンタさ、何で聞いてきたのさ」
「悪かった。だけど、あんたから直接聞いておきたかったからな」
主語の無い簡潔な言葉で、それでもすんなりと返事があるのは面倒臭くなくていい。
「――で、どうする? 一度来てから判断下すか?」
「どんな家でも別に文句は言わないさ。まぁ、悪い話じゃないしね……世話になるよ。ただ、まだほんの数日だけどさ、今井の親にも良くして貰ってるし、暫くは今井の家に居る。アンタをもう少し知ってからアンタん家に世話になる事にするよ」
「ああ。別に今すぐって訳じゃねぇし、いよいよ困った時でいいさ。しかし……、」
笹山真は、そこで一旦言葉を区切ると、クックッと笑った。
「俺をもう少し知ってから、か。そうだな、知らない奴について行っちゃいけないって小さい頃教わったしな。日生って意外と可愛いトコがあるんだな」
「なっ……!?」
揶揄され、恥ずかしさやら怒りやらで思わずカッと熱が顔に集中する。笹山真の言葉に今井がゲラゲラと笑い出したから余計にムカついた。笹山真は軽く笑っただけだったが、今井は悪戯っぽく笑って指差すもんだから、殴ってやろうかと思った。

