I love you に代わる言葉

「な、何言ってんのさ……」
「俺なんかお前と話したの今日が初めてだぞ? 俺はお前の事日生から聞いたりしてたから、ある程度の人物像は成り立ってるけどよ、お前は何で、」
「――実はな、」
 今井の言葉を遮った笹山真。それは珍しい行為だった。
「聞いてたんだ。二人の会話」
「……会話?」ボクは、怪訝な表情で問う。
「ああ」
 どの会話を指すのか解らず、今井と目を合わせた。笹山真の表情は、眉こそ下がらなかったものの、何処か申し訳無さそうな、だけど後悔も無さそうな何とも言えぬ表情だった。
「保健室での会話を聞いちまったのは、偶然だった。――ま、あの時はあんた達の方が後から入ってきたしな。俺がもう一つ聞いた会話は、その翌日、下駄箱で交わされていた会話だ」
 ――ああ、なるほど。
 すぐに合点がいく。
 今井がしつこくてしつこくてしつこかった日の事だ。そのしつこさに『恋心』を教えられた日でもある。