『百年祭りはその名の通り百年に一度地獄で行われる一大行事だ。その内容は』

『百年下積みを積んだ死人が神になるために下界へ向かい死期の近い人間を無事天界へと送り届ける。それを成功させたもののみ、神になることが許される。』

閻魔の説明を遮り少女はつらつらと口を動かす。

『…分かっとるではないか』

『当たり前です。このときのためにこんな所で働いてきたんですから。その理由を忘れてしまっては本末転倒。』


『…うむ、では死期の近い人間とどのように契約するか分かるか』

『縁結びの札を怪しまれずに渡すこと。』

『でも下界の人間には我らの姿は見えないでしょ?』

小鬼が茶々をいれる。

『それは、死期の近い者以外のはなし。死期の近い者には私たちの姿が見える』