キーンコーンカーンコーン



「おべんとっおべんとっと♪」


「もーう、桜ったらそればっかり。」


「えへへ。今日はね、


お母さんが、特製の玉子焼き


作ってくれたの♡」


「そう。良かったね。」



「うん!


いっただっきまーす!」



パクっ



「ほわー!


おいひー!」



「食べながら喋らないの」


「はーい!」


「ね、ねぇ………。


天野さん」


「はい?」


「い、伊吹君が……読んでるよ……」


「ほへっ?伊吹君?」



誰だっけ?と、


首を傾げたとき、


「天野さん」


「うきゃっ!



あっあなた…………!


伊吹君?」




「そうです。


ちょっといいですか?


勉強を見てもらいたくて」



「べ、勉強?


私、勉強はちょっと…………」


「いいですよー」


「さゆちゃん!」