「あのさあ、」



今、まさに頭に聞こえていた声。



「無視?


この僕に無視とは、度胸が、あるね。」




違う。



幻聴なんかじゃない。



「……………何?」



本当にそこにいるんだ。


「……………ごめん。」



………………へっ?!



謝った?!



この人が?!



「僕にあんな態度で接してくる



女の子は初めてで。


どうしたらいいのかわからなかった。



みんな、僕の顔しか見てないんだって…。



ずっとそう、思ってきたから。



だから…………



君が風邪?って聞いてきた時、



こいつ、本物のバカなのか?って思った。



でも、…………嬉しかったよ。



今まで、そんな子、居なかったから。」




「………私も、ごめんなさい。



勝手に怒って、勝手に貴方のこと、


悪者にして。


本当にごめんなさい。」



「いいよ。…………そんな気にしてない。」


「ありがとう!それじゃあ、



私たち、もう、友達だねっ!!」




「友達…………ね。」



えっ!やだったかな………?



あっ!!


親友の方が良かったか!!


でもな………、


私には、さゆちゃんが、いるしな………。



「ごめん。あのね、親友にはなれない。


あのっ!嫌いとかじゃなくてねっ?


ただ…………、私にはさゆちゃんが


いるので。」