「すまなかったな、無粋なマネをして・・・。今度酒でもおごったる・・・それで許せ。」


 振り返らず、そんな言葉を口にする。


 もちろん、それでこの勝負の結果がチャラになるとは思えなかったが、それぐらいしかこの軍人に対しての詫びの仕方が分からなかった。


 半サイボーグ、ジーク。


 半身を機械になりながらも、軍に所属し、戦うことをやめようとしない、救いなき軍人。


 だが・・・まぁそんな身体になりながらも、人間であろうとするなら、酒ぐらいは付き合え。


 そこで、お互いの腐った人生でも語り合おうじゃないか・・・。


 お互いに馬鹿の一つ覚えに、殺しあうことしか出来ない人生を・・・。


 そう思いながら、海人はビルを後にするのであった。


 

終わり