小さな公園だった。


 ブランコとか、シーソーとか所狭しと並ぶストウ市の公園。


 そこに彼らが向かいあうカタチで立っていた。


 一人は、三歳児とは思えぬ美貌とパワーを秘めた、無敵少年、条野礼音。前回のコラボのときはまだ一歳だったが、どうやら歳をとったらしい。


 少年が成長する速度は速い・・・。


 そして、もう一人は、カミレンの中では絶世の美貌を誇る、男だか女だかすっかり忘れてしまった、色んな意味でかわいそうな少年(少女??)カミレンイエローこと、黄浦実くん14歳である。


「私の対戦相手が、礼音くんなのはいいのですが・・・私の後ろに、不自然なまでに置いてある麻袋はなんなのでしょう?」


 誰に言った言葉ではないが、そんな言葉が口から出た。


 実くんの言うとおり、なぜか、実くんのはるか後ろには、物凄い頑丈な紐で縛られている麻袋が置いてあった。


 中から・・・「開けろ~」「酒だせ~!・・・っていうか、美少年は私のものだ~!!」


 ・・・と言う、物凄い怪しい声が聞こえるが、とりあえず聞いてはいけない。


 っていうか・・・礼音くんがいる状況で、あの袋を開けるのは、あまりに危険すぎる・・・。


 ・・・はぁ~・・・カミレンって、何でこんなおかしな連中の集まりなんだろう?


 そのおかしな連中の一人の中に十分含まれていることも知らず、実くんは大きくため息をついた。


 一方、実くんと対峙している礼音くんだが・・・。


「あのね、れおん、チョーつおいんだよ。チョーつおいの!ヽ(^▽^)ノ」


 ・・・張り切っていた。


 めちゃくちゃ、張り切っていた。


 なので・・・。


「私だって、チョー強いですよ~Σ(∵)!!」


 とりあえず、張り切ってみた。


 顔文字になれないために、全力で外したが、まぁ、細かいことは気にしない。