ここを離れる?
そんなことをして、そいつが刺された事実はなくなるのかよ!?
俺は急いで彼女の家へ向かった。
ピーンポーン…
「はぁーい!」
女の明るい声が聞こえる。
ガチャ
「っ!…真ちゃん!?」
きれいな女性が現れた。
「違います。」
「あら!ごめんなさい!どちら様で?」
「みことさんの同級生です。」
「あら?みことの?みことなら…。」
女性は口を閉じた。
「みことの大切な人のところにいるわ……。ご存知よね?」
「はい。」
迷わず答えた。
「案内するから待っててね。」
たぶんみことのお母さんは俺がみことの元彼に似ていることで
みことが俺を利用したってことが
わかったんだろう。
「ごめんなさいね。みこと本当に落ち込んでて……。」
「みことを引き留めるために来たのよね。」
「……はい。」
みことの“大切な人”の居場所は徒歩で向かった。


