どれくらい走っただろうか…。 やっとの思いで公園に着いた。 ベンチに座っている彼を見つけた。 ゆっくりと歩み寄る。 心臓が張り裂けそうなほどドキドキする。 「さ…さくちゃん?」 勇気を出して声を掛けた。 月明かりに照らされて、 彼がゆっくり振り返った。 「あたり。」 彼はそれだけ言った。