「陽翔、 私、前に進みたい。 ちゃんと向き合いたい…。」 そう言うと、 陽翔はニコッと笑った。 「さくちゃんはさ、 すっげぇいいヤツなんだよ。 昔と変わらないんだ。」 「ねぇ、私と彼って会ったことるの?」 「昔、引っ越す前にね。 なっちゃんと遊んでたのは覚えてる?」 「うん。」 「男が苦手な心和に紹介したのが、 さくちゃんだよ。」 私は記憶を辿った。 私の知っているさくちゃんは…。 「女の子じゃなかった…?」 女の子のさくちゃんなら知っている。