両手は頭の横で、
彼の手で押さえつけられている。
“お前は顔が可愛いだけの、
ただの人形なんだよ”
思い出したくもない声が、
聞こえたような気がした。
「や…だ!!
離して!!
やめて!!」
私は必死に抵抗した。
「悪い…。」
彼はそう言うと、
すぐに離れた。
「ごめん…。
ゆっくり休めよ。」
そう言って出ていってしまった。
「なんで…。」
なんで思い出すの…。
彼はなにもしてない。
好きなのに…。
もう忘れたいのに…。
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