「37.8℃…。」






家に帰ると、
彼は私の腕を引いて、
私のベッドに連れてきた。





怖い…。



あの記憶がよみがえりそうになった。








でも、
彼がしたのは検温だった。






「調子悪い時は言えよな。
無理に一緒に居たい訳じゃない。」





彼は私を寝かせてそう言った。






「何で、分かったの?」



「心和は嘘をつくとき、
一瞬右方向を向く。
その後は決まって作り笑いをするんだ。」




そう…だったのか…。



自分でも知らないうちに、
そんなことしてたんだ…。




「凄い…。よく気付いたね…。」




「当たり前だろ?」







彼はそう言うと、
寝ている私に跨がった。