見覚えのあるお店だった。 懐かしい匂いがする…。 「さくちゃん!!」 お店の奥から出てきたのは、 まだ10代であろう、 可愛らしい女の子だった。 「奈悠美、久しぶり。」 彼が女の子を下の名前で、 呼び捨てで呼んだ。 ズキッと痛む心。 「もしかしてこの子…。」 「あぁ…。婚約者。」 彼がそう言うと同時に、 私には彼女の顔が曇ったように見えた。 「久し振り。 宮路奈悠美です。」 宮路…。