「龍哉、サンキューな。」 彼は一言残して、 また私の手を引いた。 大きくて安心出来る、 そしてドキドキさせるその手で…。 「心和、可愛いよ。」 そう耳元で呟いた彼。 嬉しさと同時に、 これ以上思わせ振りな態度をしないで欲しい。 そう思った。 大人が勝手に決めた結婚。 彼に愛は無いのかもしれない…。 彼の“好き”って、 どこまで信用できるのだろうか…。 そんなことばかり考えていると、 お店についた。