「とりあえず、
この部屋で待ってて?」
アユ先輩に連れられて入ったのは、
机と椅子しかない、
接客間のような部屋。
「また呼ぶから。」
「はい…。」
アユ先輩は部屋を出ていった。
改めて部屋を見回す。
誰もいなくてしんとしている。
窓から見えるのは、
歩いている人たち…。
ぼーっとしていると、
扉が開いた。
「?」
「?!」
入ってきたのは、
端整で、
非の打ち所がないかっこよすぎる男の人。
「あんたも新人?」
声が低くて、
背が高くて、
威圧感が…。
「あ、は…はい。」
男の人に対して、
かなり恐怖があるから、
自然に愛想が悪くなる私。
「別にそんなに怖がらなくてよくね?
俺ら同期なんだし。」

