好きになってしまいます





華さんは手際よく、
私にメイクを施していく。






凄いな…。






「華さんって、
龍哉さんのこと好きなの?」




一瞬、
華さんの手が止まった気がした。





「うん…。」




真っ赤になった華さんは凄く可愛くて…。






「そう言う心和ちゃんも。
咲哉くんが好きなんじゃないの?」




「な…!!ないです!!絶対に!!」





急に話を変えられて、
勢いよく否定した。







彼を好きになるのは、
ないはず…。







「でも咲哉くんと居る時の心和ちゃん、
恋してる顔だったよ?」





ヘアメイクをしながら華さんはそう言った。







「そう見えるのかな…。」




「うん。
でもいいことだと思うよ。
咲哉くんいい人だし。」








彼は私をどう思っているのだろうか…。




私は、
彼を好きになってしまったのだろうか…。