前を向いているのに、 彼が私の歩幅に合わせて歩いてくれていた。 「あの…。 なんで私と結婚するの受け入れたの?」 「言ったろ? 心和が好きだからって。」 「い、いつから? 会ったことないのに?」 その言葉で、 彼は足を止めた。 「内緒。 時期が来たら教えてやるよ。」 顔は見ず、 そう言ってまた歩き始めた。 全然思い出せない自分に腹が立つ。