私ってなんて酷い人なんだろ…。 自分でも嫌になりそう。 「ごめんなさい…。」 そう言うと、 彼は驚いたようで、 手を離してくれた。 「分かってる。 心和、怖いんだろ?」 「…。」 「やっぱ無理に振り向かせるのやめる。」 彼はそれっきり、 私の顔を見ることなく前を向いて歩いた。