料理を始めると、 すぐに彼がリビングに来た。 彼はキッチンに向かい合わせに置いてあるソファーに座って、 じっと私の方を見た。 「見られるとやりづらい…。」 「俺が見てたいの。 失敗しても食ってやるから、 気にせず作ってろ。」 ソファーのひじ掛けに、 頬杖を付きながら、 視線を外してくれない彼。 「なんか、 料理番組の審査員みたい…。」