結局、
仕事が終わると、
エントランスで待つ羽目になった。
馬鹿な兄貴を持つと、
必然的に妹は苦労する訳で…。
「ねぇ、
君新人の真澄さんだよね?!」
「…。」
「アドレス交換しようよ!!」
「あ、俺も俺も-っ!!」
っとまぁ、
いつものお決まりが始まる。
男の人はみんなそうなのだ。
そして、
陽翔の妹っていうことと、
よく男の人から絡まれるから、
女の子から恨みを買い…。
それの繰り返しなのだ。
だから、
つくづく男は嫌いだ。
「遅くなりました。」
やっと来たこの男も、
他の男の人たちとかわりないのだろう。
「皆さん、
彼女に連絡先を聞こうとしないでくださいね。」
「新人の癖にでしゃばる気か?」
「その通りです。
彼女は僕の婚約者で、
真澄陽翔の妹で、
社長の妹の愛娘です。
陽翔様と社長に潰されるのは、
僕ではなく貴方の方ですよ。」

