「だから…、アイツもお前のこと好きなんだろ」

「………瑛司のこと?」


あたしの言葉に
佐々木くんはコクン、と頷いて。


「お前が素直だから、お前がどうなるか最初から分かってんだよ。……大切にした方がいいんじゃねぇの、アイツのこと」

「………」



そう言って、

佐々木くんはシャープペンを
持つ手を動かした。


瑛司はあたしにとって
大切な人だよ…

だけど、

瑛司に対する気持ちと
佐々木くんに対する気持ちは、


─────違う。


胸がドキドキするのも、
泣きそうになるのも、

放っておけないのも、
胸が痛むのも、


佐々木くんだからなんだ…


あたしは…、


────佐々木くんが好きだと
思ってしまったんだ。