17歳─恋のはじまり─

その瞬間、
頭の中で浮かぶ立夏の言葉。


『千紗、凹んでた』


瑛司の目の前に
シュン…とした千紗が居て。

瑛司がふっ、と笑った。



「…俺の気持ち、やっと気づいてくれた?」

「!」

「………」


いつになく真っ直ぐと
自分を見る瑛司の目に、

ドキッとして千紗がパッと
下を向いた。


それって…、
やっぱりそういうことだよね…?



「あ…と、その…」

「千紗、返事はいらない」

「え?」