17歳─恋のはじまり─

昼休み。

ガチャ…


千紗が屋上の扉を開けて
周りをキョロキョロ。

いつも佐々木くんが居る方へ
足を運んだ。



「さーさーきーくん!」

「…んだよ」


千紗の姿に
佐々木がふいっと顔をそらした。

なぜか気恥ずかしくて、
顔が熱くなる。


俺、何でこんな
緊張してんだ……?



「今日、午前中の授業ずっと受けてたねー。先生が皆びっくりしてたよ」

「うっせ」

「何があったか知らないけど、あたし嬉しい」

「………だろ」

「え?」



佐々木がボソッと
吐き出した言葉が、

聞き取れなくて。