17歳─恋のはじまり─

その時の佐々木くんは
またあの冷たい目をしていて。

あたしはそれ以上
何も言えなくなった。


「………」


それを確認して、
佐々木くんが階段を下りていく。


「……そんなの、無理だもん」


小さく漏れた千紗の言葉。


だって、

あたしは知ってしまった。


佐々木くんの
優しさに──…

そして、

冷たい目の奥に
何かを抱えていることに…