17歳─恋のはじまり─

シ…ンとあたし達を
沈黙が包み込む。

バクバクと鳴り響く
あたしの心臓に、

頭が一瞬真っ白になった。


あ、あれ…?
何で沈黙…



「お前…馬鹿か」

「へ?」


本日2回目の馬鹿呼ばわり?


そんなことを思いながら
顔を上げると、

目の前にあたしから
顔を逸らす佐々木くんが居て。


髪の隙間から見える
赤くなった耳。


「佐々木くん?」

「〜っ、ホント馬鹿」

「また馬…」


“また馬鹿って言った”

そう言おうとした瞬間、
グッと腕を引っ張られて。


あたしは佐々木くんの
腕の中におさまった。