17歳─恋のはじまり─

「お前は、もう決めてんの?」

「何が?」

「進路」


そう言われて
あたしは下を向いた。

決まってるというか、
悩んでるというか…


「…今まで進路なんて、全く考えてなかったから…」

「そんなもんだろ。だから、俺も進路室行ってたんだし」

「…佐々木くんは、夢とかないの?」

「考えたこともなかった。…舞を亡くした頃から、全部どうでもいいって思ってたから」

「………」


亡くした、頃から…

今なら、

今ならあたし少しは
前までの佐々木くんのこと

理解出来る。


大きな穴がポッカリ
空いたみたいで、

何も考えたくない…