17歳─恋のはじまり─

あたしは掠れた声で
話すのがやっとで。


「…瑛司は?」


震える声で名前を出すのが
やっとで。

あたしの様子に看護師さんが

ふるふると左右に
首を振ったのが分かった。


「…ごめんね。助けて、あげられなかっ…た」

「っ、嘘だ…!」



そんなこと言わないで。
そんな嘘言わないで。

冗談、でもキツイよ…


「今は、家族だけで…過ごさせてあげて…」

「……っ」


ずっとおばさんが
泣き叫ぶ声が聞こえる。

皆、辛そうな顔をして
看護師さんがあたしを抱きしめる。