足に力が入らなくて
ペタンとあたしは廊下に座り込んだ。


「都築…?」

「や、だよ…あたし、まだ何も言えてないの…」

「都築…」

「いっぱい話したいことが、あるの!ありがとうも、まだ言えてない」


ううん、終わりになりそうで
言えなかった。

だけど…


「やだ、瑛司…」

「都築!」


佐々木がグッと
千紗の肩を掴んだ。

千紗がハッとして
佐々木を見ると、


「…さ、佐々木く…?」


目の前には唇を噛み締めて
何かに耐えてる佐々木が居て。


あたしからポロッと
涙が落ちた。