17歳─恋のはじまり─

HR中。

隣の教室で、
瑛司がクルクルとペンを回した。


どうやったら、

千紗が俺を見てくれるのか
分からなくて。

モヤモヤした感情が
心を蝕んでく。


好きと言ったところで

千紗が俺を男として
見てくれるのか…


「………っ」



あー、もう。

俺ってこんな女々しかったか?


瑛司がガシガシと
頭を掻いた。

誰よりも近くに

───居るはずなのに。


幼なじみは、

近くて遠い──…