17歳─恋のはじまり─

気づいたらあたしの
足は動いていた。


「あ、おいっ」


佐々木くんの声なんて
聞こえないくらい、

色んなことが頭に浮かんだ。


「あ、あの、瑛司に何かあったんですか?」

「あなたは、いつも来てる…」


咄嗟に看護師さんに
声をかけると、

驚いた様子であたしを見る。

そして、


「大丈夫よ。終わったら声かけるから、あっちで待っててくれる?」


そう言うと、
病室の中へ入って行ってしまった。


「ど、どうしよ…」

「落ち着け」

「佐々木くん、瑛司が…!」

「都築!!」


頭がパニックになる。

瑛司に何があったか
分からないまま、

あたしはこうやって
立ってることしか出来ない。