17歳─恋のはじまり─

「だから、1人で背負い込むな」

「…っ」

「それにお前がそんなんじゃ、高倉も治療に専念出来ない」



佐々木の言葉に
千紗がハッとした。

あたしはまた目の前のことしか
見てない…


ただ、瑛司の顔を見たくて
毎日病院に行ってたけど、

それは瑛司の顔を見て
自分が安心してるだけだ…


ただの自己満足…

瑛司も、
佐々木くんも、

あたしのことを
考えてくれてるのに…


「ほら、行くぞ」


そう言いながら歩き出す
佐々木くんの後を

あたしは何も言えないまま
着いて行った。