17歳─恋のはじまり─

「だって、この前まで元気だったじゃん…」

「若いと癌の進行が、早いんだよ…。この咳だって…もう肺に転移してんだ…」

「……やだよ。やだ、そんな話しないで…もっと楽しい話しようよ」



目に涙が滲む。

だって、そんなの
瑛司がいつか居なくなるみたいじゃん…


千紗が震える脚で
ゆったりと瑛司に近づいた。

ずっと窓の外へ
視線を送る瑛司に、

あたしは抱きつく。


「~~っ、嫌だよ。瑛司……っ」

「………っ」