17歳─恋のはじまり─

「………」


千紗が病室の前を
ウロウロと歩き回る。

瑛司に会いに来たものの、

何て声をかければいいのか
どんな顔をすればいいのか

全然分からない……


だけど、

あたしは瑛司に
きちんと謝らなきゃいけない。


「うしっ」


コンコン…


勇気を出して震える手で
ドアを叩いた。


「はい?」


するとすぐに瑛司の声がして。

あたしは静かにドアを開けた。