17歳─恋のはじまり─

制服の袖で涙を拭って
千紗が立ち上がる。

周りを見渡した。



『うっせーよ』

ここは、
あたしが初めて恋を知った場所。


『またお前か』

『あー…はいはい』


ここは、
たくさんの思い出がある場所。


「……ありがとう」


そして、

さようなら。



あたしはもう、

ここには来ない───…