17歳─恋のはじまり─

佐々木から出た言葉に
千紗の目が見開く。

驚いて顔を上げた。



「俺、お前とここで会えて良かった」

「………」

「お前に、救われたから。だから、お前には笑っててほしいし」

「佐々木くん?」

「……ありがとな」



そう言って

佐々木くんは立ち上がると
先に屋上から出て行った。


「っ」


残されたあたしの視界は
涙でぼやける。

あたしは、

あたしが幼いせいで
2人を傷つけた。


それでもあたしが
選んだ道だから……