「……っ」

「…知ってた」

「え?」

「アイツがこうなったら、お前は絶対にアイツの元へ行くって。だからあの時…引き止めたんだ」

「……っ…」



『行くな…!』


あの時の佐々木くんの
言葉も、

あたしの腕を掴む力も、

必死な声も、


あたしは全部覚えてる。

千紗がグッと唇を噛み締めた。


「………アイツ元気なの?」

「あの日以来、病院に行ってないの。きちんとしてからじゃないと…ダメだと思ったから…」

「なら、早く行け」

「え?」