17歳─恋のはじまり─

あたしはどうすればいいのか
分からなくて。


ただ、

ベッドに瑛司が
眠ってるのを一瞬確認しただけで

その場から動けなかった。



「…千紗、お母さんちょっとお父さんに連絡してくるわね」

「うん……」



ただ、運ばれてく
ベッドを見つめた。

見えたのは一瞬なのに、

その一瞬で色んなものが見えて。


「………」


言葉にならなかった。

酸素マスクをして
眠ってる瑛司の姿。

腕にはたくさんの点滴が
繋がれて。


脚は、

布団で隠されていた。


「………本当に、瑛司だった…」