17歳─恋のはじまり─

頭が、真っ白になった。

さっきの佐々木くんの声と
力の籠もった手。


あたしを引き止める腕。


「……っ」


それでもあたしは

瑛司のとこへ
行かなきゃいけないと思った。


「お母さん!」

「千紗!早く!」


病院に着くと入り口で
お母さんが慌てた様子で

あたしを呼ぶ。


やっぱり何かあったんだ、
すぐに理解した。