17歳─恋のはじまり─

「…病院?」

「何で……」

「ダメだ、行くな!」

「え?」



佐々木くんの大きな声が
廊下に響いて。

千紗が、佐々木を見上げた。


行くなって、
どういう意味……?


「佐々木くんは、何か知ってるの?」

「………」

「ねぇ、瑛司に何があったの!?」


ガシッと制服のシャツを
掴んでくる千紗に、

佐々木がグッと唇を噛み締めた。


『千紗には言うな』


アイツは…、

俺にそう言ったんだ。