17歳─恋のはじまり─

大した用事じゃないのかもしれない。

病院についたら、

お母さんが「何その慌てっぷり」って
笑ってるかもしれない。



「………都築?」


廊下を急いで走ってたからか
あたしは廊下に、

佐々木くんが居るなんて
気付かなくて。


パシッと腕を掴まれて
初めて気付いた。



「……何、慌ててんだよ」

「佐々…え、瑛司が……」

「…!」



千紗の言葉に
佐々木の目が見開く。


『千紗には言うな』


頭の中で、
アイツの言葉が響いた。