17歳─恋のはじまり─

ブーブーブー…


「あ、お母さんからだ…」


その時スマホが震えて
あたしは電話に出た。

この後、

お母さんから衝撃的な
言葉を聞くことになるとは知らずに…



「もしもし、お母さん?」

『千紗!あんたもう学校終わったの!?』

「え、うん、終わったけど…」

『今すぐ○○病院に来なさい!早く!』

「え、ちょ、お母……切れた…」



切迫詰まったお母さんの声に
あたしの心臓がドクンと脈打つ。

な、に……


「どうしたの、千紗…」

「行かなきゃ…」

「え?」

「病院に行かなきゃ!!」



胸騒ぎがする…
なぜか瑛司の顔が浮かんだ。

ドクンドクンと脈が速くなる。

震える手で鞄を持って
急いで教室から飛び出した。


「千紗!?」