授業を受けてても、
お弁当を食べてても、

スマホの画面を見ては
ため息が漏れた。


「……瑛司くんのご両親に聞いてみたら?」

「え?」

「気になって仕方ないんでしょ?」

「……ダメだよ」



瑛司があたしに何も
言ってこないってことは、

多分知られたくないんだと思うし…


それを勝手に探るようなことは

─────したくない。


「…千紗…」

「…あたしね、瑛司に幼なじみとして宜しくって言われたの。今までの“幼なじみ”なら何でも話してくれたのに、今の“幼なじみ”には壁があるよね…」

「………」

「この壁は、あたしのせいなんだけど…」


きっとあの台詞は
瑛司の優しさだったんだ。

あたしが負い目を感じないように…