17歳─恋のはじまり─

「あ、瑛司!あたし行きたい所があるの」

「行きたい所?」

「ここ!」


パンフレットを広げて
千紗が指を差す。

そこにはフリーマーケットの文字。


「お前、こういうの好きだよなー」

「だって掘り出し物があるかもしれないじゃん」



早く早く、と
手招きしながら笑う千紗に

瑛司の口元が緩む。


「仕方ねーなぁ」


今日は、

特別に千紗が行きたいとこ
廻ってやろーじゃん。


だから、

頼む。


今日だけは、

膝の痛みが少しでも
マシになってほしい。


そう願ったのに………